平日に木々を見られるのはなんと素敵な事でしょう。今まで無かった事です。
先ごろ5日間にわたって浄土ヶ浜周辺を歩きました。朴の木のつぼみから開花までを
観察しました。とても背の高い木なので、又、花は天辺にしかないので、坂道から
見下ろす場所の朴の木を探しました。木々の香りもとても素晴らしいと思いました。
そんな坂道は誰も歩いていないので、広いひろい自分のお城の庭のように思いました。
ウグイスの鳴き声は、裏山の一石さんとは違って、大きくのびのびとこだましました。
平成21年3月をもってうちだ小児科クリニックを閉院しました。定年退職と決めたの
でした。開業は昭和62年の春でしたので、22年間の子ども達とのお付き合いでした。
生まれてから以後両親に守られて、自立まで約30年かかりました。その後は、一部
重複しておりますが、夫の庇護のもとで約30年を暮らしました。夫が出家をして宮古
を出た後は生まれて初めて独りで夢中で頑張りました。いつの間にか約10年が過ぎま
した。日中は子ども達の診療をし、夜はパソコンを使ってホームページ作りをしまし
た。文章を考え、日常の写真を選んではめ込む作業です。患者さんやスタッフに、私
を知ってもらいたいとはじめたのですが、気がついてみると、いつのまにか自分自身
が一番元気になっていたのでした。しかしここ2〜3年、何とはなしに違和感があり
ました。この違和感はなんだろうと考えました。
自分の老化と跡継ぎが居ない事、人件費諸経費は増大していく事、少子化もあり収入
は減少する事、テナント料は持ち家と違って何時までも大きいこと、病気や認知症に
なってからでは退職金も支払えないだろうこと等々が脳裏に浮かんできました。開業
以来の毎日の日誌から、いろんなデータをグラフ化しました。日誌の記入はスタッフ
と私で埋めてきていたものです。すべてのグラフは、早晩クリニックの経営は成り立
たなくなる、と言う事を表現していました。
ついに今年2月結論をだしました。「止めるのは今だ」と言う事です。
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