Motifプログラミングの部屋


○ Motifとは

Motifは、Open Software Foundation (OSF)によって定められた、統一された見 た目と使い心地(Look & Feel)を持つGraphical User Interface (GUI)を作成す るための規格です。OSFはこの規約に沿ったGUIを、X Window System上で実装す るためのツールキットも提供しています。普通にMotifと言ったときには、この ツールキットのことを指すことが多いです。 Motifは正式にはOSF/Motifといいます。MotifとOSF/Motifはどちらも Open Groupの登録商標です。


○ 私とMotifの関係は

学部の頃に1年ほどアルバイトでMotifでアプリケーションを作成してました。

生活費を稼ぐために修士過程の間、UNIX USER誌で「楽しいMotifプログラミング」 という連載を持ってました。1993年10月から1994年7月まではなんとか毎月書い てましたが、8月はお休み、9月10月と書いて94年はおしまいで、あと1995年2月3 月で最終回にしてもらいました。

連載の評判は、友人達には「ぜんぜん楽しくない」とか言われて、あまり良くなかっ たです。文章もかなりひどくて、読み返してみると何言ってんだかよくわからないと ころがたくさんあります。内容的にも94年7月、9月、10月あたりはぼろぼろです。で も、書きながらいろいろ調べているうちに、書き始めた頃よりはMotifに詳しくなり ました。

連載が終ってからは蓄えた知識を元に、NetNews上(主にfj.windows.x)でときどき質 問に答えています。自分では結構力をいれて質問に答えているつもりです。出来の悪 い連載でたくさんお金をもらったことに対する、罪滅ぼしの意味も込めてやってます。

今はMotif関係のお仕事はしてません。研究ともまったく関係ありません。


○ Motifの情報源

Web上の情報源

OSF/MotifとCDEのページ
一応本家のページを先に挙げておきましたが

MW3:Motif on the World Wide Web
アクセスするのならまずここです。Motifに関するものなら何でもそろってます。 Motif FAQも含む各種FAQもここからたどれます。

Motifに関する書籍

私が持っている書籍の一部を挙げておきます。もう何年もMotifから離れている ので、最近出版された書籍は持っていません。
Motifプログラミング・マニュアル
Dan Heller著,ソフトバンク
Xウィンドウ・システム・シリーズ第6巻
ISBN 4-89052-409-6

内容は非常に充実しています。前半の導入がよく書けているので、入門書と しても良いと思います。Motif 1.1に基づいて書かれているので、古い部分 もあります。ちなみに訳はひどいです。読みづらいだけでなく、誤訳も多い です。

Motif Programming Mannual
Dan Heller & Paula M.Ferguson, O'Reilly & Associates
The Definitive Guides to the X Window System Volume Six A
ISBN 1-56592-016-3

上記の原著の第二版です。Motif 1.2に基づいて書かれています。英語が苦 手でなければ、日本語版よりも読みやすいです。

Motif Reference Mannual
Paula M.Ferguson, O'Reilly & Associates
The Definitive Guides to the X Window System Volume Six B
ISBN 1-56592-038-3

第二版ではリファレンスマニュアルが別の巻に分けられました。

X Toolkit プログラミング OSF/Motif版
D.A.ヤング著/川手恭輔訳,トッパン
ISBN 4-8101-8510-9

Motif 1.0に基づいて書かれているため、内容が古すぎます。ツールキット の初期化から、ウィジェットの作成まで、すべてが古いので、もう参考にし てはいけません。当時は、新しいウィジェットの作り方についてある貴重な 書籍でした。

Motif 1.2に基づいて書かれた改定版が出ています。改定版に関する情報は、 トッパンのホームページ からたぐることができます。

X-Window OSF/Motifプログラミング
兜木昭男/木下凌一/栄谷政己/林秀幸/安川悦子,日刊工業新聞社
ISBN 4-526-02808-8

この本も同様に内容が古すぎるので、もう参考にしてはいけません。当時は 「〜するには?」形式の構成がなかなか評判でした。この本の著者の一人、 林秀幸氏によるOSF/Motif ツールキットプログラミング[1]と[2]は、同様の 構成で、新しくかつはるかに充実した内容になっています。残念ながら僕の 手元にはないので、その本の詳しい情報はわかりません。

Xツールキット・イントリンシクス・プログラミング・マニュアル
Adrian Nye and Tim O'Reilly著,ソフトバンク
Xウィンドウ・システム・シリーズ第4巻
ISBN 4-89052-301-4

Motifのアプリケーションを作成する際には、Xtの知識は欠かせません。ウィ ジェットセットとしてAthenaウィジェットを用いていますが、Motifの場合 でもかなり参考になります。X11R4のXtを元に書かれているので、古くなっ ている箇所がいくつかあります。この本の訳は良いです。ちなみに、このシ リーズで訳がひどいのは6巻だけです。

Xツールキット・イントリンシクス・リファレンス・マニュアル
David Flanagan著,ソフトバンク
Xウィンドウ・システム・シリーズ第5巻
ISBN 4-89052-490-8

Xtのリファレンスマニュアルですが、manを引いた方が早いことが多いので、 あまり使ってません。こちらはX11R5に対応しています。

Xlibプログラミング・マニュアル
Adrian Nye著,ソフトバンク
Xウィンドウ・システム・シリーズ第1巻
ISBN 4-89052-398-7

色を扱ったり絵を書いたりするときにはXlibの知識も必要になります。この 本は、確かに内容は充実しています。しかし、構成が悪いせいか、細かいこ とを書きすぎているせいか、理由はよくわからないのですが、妙に「使いに くい」です。X11R5に対応しています。

Xlibプログラミング・リファレンス・マニュアル
Adrian Nye編,ソフトバンク
Xウィンドウ・システム・シリーズ第2巻
ISBN 4-89052-441-X

Xlibのリファレンスマニュアルですが、やっぱりmanを引いた方が早いので、 あまり使ってません。凶器になりそうなくらい重いのが難点です。これも X11R5に対応しています。

X Windowハンドブック
Oliver Jones著/西村 亨,アスキー
ISBN 4-7561-0032-5

Xlibの解説書ですが、この本は相当古いです。X11R3を元に書かれています。 でも、妙に便利なので、ちょっとど忘れしたときには、いまだにこの本を頼っ ています。まだ売ってるのかな?

その他ドキュメント

X Window Systemの配布パッケージに含まれているドキュメントは非常に重要です。 僕は特にXtのマニュアルをよく参照します。X11R5ではmit/hardcopy/Xtの下に、 X11R6ではxc/doc/hardcopy/Xtの下にPostscript形式で入っています。


○ 私家版Motif FAQ


藤枝のホームページ
Last modified: 2006/02/14 15:29:57 JST